「加治木小学校の児童全員が安心して学校生活を送れるようにすること」を目指し,本校では令和5年度から「かじきっ子見守り委員会」を開催しております。この会は,「いじめや問題行動等の『未然防止』や『早期発見』,『問題解決』のために,学校・家庭・地域がどのように協働するかを話し合う会」です。今年度は,第1回を8月1日(金)の18:30~19:30に総合学習室で実施しました。
今回の実施内容は,「『様々な問題行動を未然防止・早期発見・解決するために,学校・家庭・地域でどのように見守っていけばよいか』をテーマにしたグループワーク」でした。グループワークで出された意見,出席者の感想についてお伝えします。ぜひご一読ください。
【実施内容】
〈予想される問題行動〉
□金銭トラブル(窃盗,おごる・おごられる,無駄遣い等)
□万引き・窃盗(店・家庭等)
□ネット上のトラブル(ゲーム機・スマホ・タブレット等)
□敷地内への無断侵入(友人宅・校区内外の住宅等)
□器物破損・ごみの放置(公園・公共施設等)
□火遊び・放火
□性に関するトラブル
□喫煙・飲酒 等々
【グループワークで出された意見】
◇「人を知ること」が問題行動の未然防止や早期発見,解決につながる。なぜなら,子供が大人を知ることで困り事を相談しやすくなったり,大人が子供を知ることで声をかけやすくなったり,大人が大人を知ることで情報を共有しやすくなったりするから。
◇親が子供と過ごす時間を増やしたり,スキンシップを増やしたりすることで,子供たちの心の安定を図る。
◇表情や服装など,子供たちの変化に注意を払う。
◇挨拶やゴミ拾い等,大人が望ましい行動をして,子供たちに示す。
◇子供の言うことを鵜吞みにしない(自分に都合よく話していると思いながら冷静に聞く。)。
◇家庭内のルールを親が決めるのではなく,子供と一緒に決める。
◇保護者が子育ての基本方針を確立する。
◇フィルタリングをすり抜けるアプリがあるため,フィルタリングをかけていることに安心せず,子供がSNS使用のルールを守っているかを親が見届ける。
◇金銭トラブルやネット上のトラブル,性に関するトラブル等について,大人だけでなく,子供たちも一緒に専門家の話を聞く機会を設ける。
◇ライターや財布,スマホ等を子供たちが簡単に手に取れる場所に置かない。また,保管場所を知らせない。
◇親が自分自身や子供の財布にお金がいくら入っているかを把握しておく。
◇親が子供の持ち金を把握し,子供からレシートを必ずもらうことで「何にいくら使ったか」を見届ける。
◇親が家に居ない時に友達を家の中に入れさせない。
◇我が子がどこにいるかが分かるようにGPSを付ける。
◇子供たちをよりよく育てるために,自治会で親睦会を開催し,保護者同士の親睦や保護者と地域住民との親睦を図る。
◇地域の祭りやボランティア活動等に参加してみること。一生懸命に手伝いをして,みんなが喜ぶ様子を気持ちよいと感じる体験を子供たちにさせる。
◇監視カメラを設置する。
◇コンビニ等で買い物をしている子供たちに出会ったら,その様子を見守り,必要に応じて声をかける。
◇保護者と連携し,情報を共有しておく。
◇子供たちが自分たちで正しい判断をすることができるような授業をする。
◇「○○するかもしれない。」という予知的・想定的な指導をする。
◇行事・店・公園・危険箇所等,校区内の様子を知る。
◇子ども食堂と連携し,情報を収集する。
◇子供たちの様子をよく見て,よく聞く。
【出席者の感想】
〈保護者代表〉
○違った立場の方々が集まり,子供たちのことを話すのは,とてもよい機会だと思う。ぜひ,話題に上ったことを発信し,実行できるものは実行していければと思う。
○問題行動の未然防止・早期発見をするにはどうすればよいのかについて,家庭でも話し合いながら決めていこうと思った。また,地域の方々とも連携を図り,子供たちの成長を見守っていきたいと思う。
○問題行動の未然防止や早期発見について具体的に書き出して考える機会がないので,自分たちのことを見直すよい機会になった。自治会加入率があまり高くない地域では,保護者間の親睦を深めるのはなかなか難しいが,子供を接点にコミュニケーションを図っていきたいと思う。
〈地域代表〉
○問題行動を受け取める際には,学校・保護者・地域の連携が必要である。その中でも「保護者と子供の関係性」が一番大事である。学校と地域はそのサポート役だと思う。親子の関係が良好な家庭では,問題行動が発生しづらい。生活リズムを整えることをまずは親が実践してみせること。そして,家庭内のルールを子供と一緒に話し合って決めること。そういうことを話し合う「親子会議」を進んでやってみましょう!先生方や地域の皆さんのサポートは,地域の青少年育成につながっていくと思う。。
○それぞれのグループで具体的な意見が出されてよかった。今後は,それらを実行に移すことが重要である。
○家庭・学校・地域が連携して子供たちを見守ることの大切さを痛感している。一方で,以前と比べ,各家庭と地域とのつながりが少なくなってきていることを実感している。自分自身がもっと積極的に関わるべきだということも感じたので,自分にできることには何があるかを考えながら行動に移したい。
○子育てが終わってきている中,地域の一人として子供たちと接していけることをとてもうれしく思っている。いろんな問題があり,一人一人の個性を尊重しながらの教育の現場は本当に大変だと思う。学校・家庭・地域で協力していけるよう頑張りたい。
〈学校代表〉
○学校・家庭・地域の3者の立場で子供の育成について考え,意見を出すことは,生活指導面において,とても有効であると感じた。すぐにできることだけでなく,すぐには取り組むことが難しいこともあると思うが,それぞれの立場でできることを共有し合い,実践につなげていけたらと思う。私は,この見守り委員会への出席が2回目であったが,地域の方々を知る貴重な機会になっており,ありがたいと感じている。今回の学びを学級PTAにもつなげていきたい。
○家庭でできることを明確に行うことが重要だが,「子供に考えさせて取り組むこと」が更に重要なことだと感じた。また,親同士のつながりや子供同士のつながりの中で,「だめなことはだめ。」としっかり言える関係性を築いてほしいと感じる。
○様々な立場から考えを出し合うことで,新たな気付きをもつことができた。子供たちの問題行動を未然に防止するためにも,日頃からアンテナを高くして,子供たちからの情報,保護者や地域の方々からの情報,店や警察等の関係機関からの情報が得られるよう,コミュニケーションをとったり,顔見知りになったりしておくことが大切だと感じた。
○学校・家庭・地域それぞれで「子供の様子が見えない場面」がある。子供たちの出すSOSのサインに気付くために,3者の連携が必要だと感じた。ただし,親密な連携を図るためには,何でも言い合える環境作りが必要である。学校職員・保護者・地域の方々,そして,子供たちとのつながりを深めるために,より積極的なコミュニケーションが必要だと感じた。
○地域の方々も保護者の方々も,子供たちが健やかに育つために今できることは何かを真剣に考えてくださっていて,大変ありがたかった。グループワークの中で,自分一人では思い付かなかった視点がいくつもあり,これを全部実行できるとすれば,加治木小の子供たちは,安心・安全な地域で身も心も健やかに育つだろうなと感じた。